●バレンチノとバレンチナ ペイネの絵に描かれた男女に名前はなく、ただ恋人たちとだけ呼ばれているが、この映画ではバレンチノとバレンチナという名前が与えられた。イタリア風の名前になっているのは本作がイタリア映画だからであるが、その名は愛に殉じた聖バレンタイン(現代では2月14日にお菓子屋さんを喜ばせる聖人)にちなんでいる。 |
●フェデリコ・フェリーニ 「道」、「甘い生活」など数々の傑作で知られるイタリア映画界の巨匠。1993年没。バレンチノとバレンチナがあわや処刑というシーンに「カット」の声をかけて登場。 フェリーニ映画のトレード・マークである大きなおっぱいの女優の姿も見える。 |
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●ドン・キホーテとサンチョ・パンサ
激安ショップのことではない。ご存じ16世紀スペインの作家セルパンテスが生んだ誇大妄想家ドン・キホーテとその従者サンチョ・パンサ。お約束通りに風車に向かって突進していく。 |
●聖フランチェスコ 古代都市ボンベイを滅ぼしたベスビオス火山が噴火し、ナポリの人々は聖ジェンナーロの名を呼ぶが、現れたのはアッシジの聖フランチェスコ。12世紀末、アッシジの豪商の息子として生まれたフランチェスコは、放浪生活を送った後に宗教的博愛に目覚め、すべてを捨て去り聖人となる。その生涯を描いたフランコ・ゼフィレッリの映画「ブラザーサン・シスタームーン」が有名。 |
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●ウィリアム・テル オーストリアの代官ゲスラーの命令で、息子の頭に乗ったリンゴを射させられたという故事で知られるスイス建国の英雄ウィリアム・テル。シラーの戯曲とロッシーニの歌劇で有名になったが、実在の人物ではなかった。しかしスイス国民の象徴として、リンゴを射たという伝説の地アルドルフには銅像が立ち、スイスの5フラン貨幣にも顔が刻まれている。 |
●ヴィクトリア女王 映画の中ではヴィクトリア女王や、エリザベス1世時代の文豪シェイクスピア、第2次世界大戦時の首相ウィンストン・チャーチル、60年代のスターであるビートルズらが時を越えて一同に会する。ヴィクトリア女王は1837〜1901年の64年間在位し、イギリス王室史上最長の期間を治めた。イギリスが最も栄華を誇った時代に、その象徴として君臨した女王である。現在のエリザベス2世の祖母に当たる。 |
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●ビートルズ 1970年に解散したビートルズだが、74年公開のこの映画の中ではビートルズらしき4人組が女王の前で演奏する。ビートルズは1965年にエリザベス女王からMBE(Members of the Order of British Empire)勲章を授与されるが、1969年、イギリスのナイジェリア・ビアフラ内戦への関与やウェトナム戦争におけるアメリカ支援などへの反対を理由に、ジョン・レノンは勲章を返上した。 |
●毛沢東 1935年、中国共産党主席に就任後、1949年に蒋介石率いる国民党を追いやり、中華人民共和国を成立させ、1976年に82歳で亡くなるまで、中国の最高指導者として君臨、米ソ両陣営と対立する道を歩む。修正主義路線と対決した65年の文化大革命など、激しい権力闘争を繰り返した生涯だった。 |